【コラム】身体の後ろ側を使う(1)後ろ側を使うと何がいい?


身体の前側とは、胸や腹、太もも前面など、
身体の後ろ側とは、背中やお尻、太もも後面など
のことを指します。

身体の前側を使っても、後ろ側を使っても、
一見同じような動きをすることができます。
しかしこれらは、似て非なるものです。

身体の後ろ側をうまく使えれば、
力強く、正確な動きを、
小さい力で、長時間行うことができる

のです。

もちろん、身体の後ろ側を使うと言っても、
後ろ側が100%で前側は0%ということはありません。
どちらを主に使っているのか、あるいは、
後ろ側の筋肉を活用できているのか、
という意味合いと考えてください。

後ろ側を使うメリットは?

身体の後ろ側には、大きい筋肉がついています。
例えば、広背筋、僧帽筋、大臀筋、大腿二頭筋などです。

身体の前側にも、大きい筋肉はあります。
例えば、大胸筋、腹直筋、腹斜筋、大腿四頭筋などです。

確かにこれらは大きい筋肉ではありますが、
後ろ側の筋肉の方が強力です。

大きい筋肉があるということは、
それだけ強い力を出せるということです。
また、大きい筋肉は、小さい筋肉に比べ、
大きな力を出し続けることができます。

筋肉が疲労してしまうと、動きの正確さも損なわれます。
長い時間、安定して強い力を発揮したい場合、
身体の後ろ側の筋肉を活用することが必要です。

後ろ側を使う難しさ

しかし、身体の後ろ側を活用することは、
簡単なことではありません。

なぜなら、身体の前側は意識しやすく、
後ろ側は意識しにくいからです。
誰でも、背中よりも胸やお腹の方が
意識しやすいはずです。

更に、日本人は床に座る文化のDNAですから、
頭が前に出て、猫背になってしまいがちです。
日本人は、ガッツポーズも、背中を丸めたポーズが浮かびます。
一方海外のガッツポーズは、背筋を伸ばしています。

また、英語には、重荷に耐えられるという意味で、
「strong back」という表現があります。
「背中が強い」という表現なのでしょうが、
日本語ではあまり耳にしません。

こういった日本人の身体の使い方の文化が、
日本人がある種のスポーツにおいて
世界トップになかなか近づけない理由の一つに
なってしまっているのかもしれません。

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まとめます。

・身体の後ろ側には大きい筋肉がある
・大きい筋肉は強い力を出せるし、疲れにくい
・後ろ側の筋肉を活用できるのが望ましい
・しかし、身体の後ろ側は意識しにくい

次回は、身体の後ろ側を使いにくい、
日本人がついしてしまう姿勢について、お話します。

身体の後ろ側を使う(2)身体の後ろ側が使いにくい姿勢とは?

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