セルフケアのコツ 第1章 これだけは知っておきたい身体のこと①

1-1 セルフケアは手足が大事!

今日は、セルフケアについてお話を伺いたいと思います。
健康を考える上で、セルフケアは、非常に重要なことだと思います。そのセルフケアにおいて、ズバリここが一番大事、というのはどこなのでしょうか?
生徒
生徒
藤本
藤本
まず、「手足」だね。おおまかに言うと、肘から先、膝から先
そうなんですか!てっきり、肩甲骨とか股関節とか、体幹とかそういう答えが返ってくるかと思っていたので、予想外です。
なぜ、「手足」なのでしょうか?
生徒
生徒
藤本
藤本
もちろん、肩甲骨や股関節も大事だよ。だけどそれ以前に、手足が整っていないと、せっかく身体をケアしても、すぐに元に戻ってしまうんだよ

1-2 肩こりは手の指から治す?

藤本
藤本
例えば、肩こりをほぐそうと、肩の筋肉を揉んだとするよね。そのときは気持ちいいし、肩も楽になる。でも、またすぐに元に戻ってしった、そんな経験はないかな?
あります。でも、それは仕方がないのかなと思っていました。
生徒
生徒
藤本
藤本
それは、手の指からほぐしていないからなんだよ。手の指が固まってしまうと、第一関節のあたりの皮膚の動きが悪くなる。そうすると、前腕(肘と手首の間)の筋肉も固まってしまう。上腕三頭筋も固くなって、首の筋肉にも影響が出てくるんだよ。(図1)
図1 手の指が固まっていると、前腕から上腕、首にも影響が出る。
もう少し詳しく教えてもらえますか?
生徒
生徒
藤本
藤本
そうだね。じゃあ、ペンを持って、できるだけギュッと力を入れて握ってみよう。
そう。その状態で字を書こうとすると、どこに力が入る?手だけかな?
いえ、手だけじゃないですね。腕や肩、首にも力が入ってます。(図2)
生徒
生徒
図2 ペンを持つ手が力むと、腕や肩、首も力が入ってしまう
藤本
藤本
そうなんだ。手先を力んで使っていると、腕や首にも影響が出るんだよ。身体はつながってるんだ。だから、末端の手の指からほぐしてあげる。首や肩の凝りを治すには、肘から先、手の指からほぐすんだよ。
肩こりで手の指をほぐすなんて、考えたこともなかったです。
生徒
生徒
藤本
藤本
手足は身体の末端だよね。細かい毛細血管がいっぱいある。この手足の筋肉が固まって、血流が悪くなると、全身の血の巡りはどうなるかな?
悪くなると思います。一番血が流れにくい部分が詰まっていると、血圧も上がると聞いたことがあります。
生徒
生徒
藤本
藤本
いくら肩を揉んで血流を良くしても、手先が詰まっていたらダメなんだよ。足もそうだよ。膝から下がこってると、いくら他をがんばって整えても、すぐに戻っちゃう。だから、手足が大事なんだ。
なるほど…
生徒
生徒
先ほど、手を力んで使っている、という話がありましたが、手の使い方も大事なんですね?
生徒
生徒
藤本
藤本
もちろん、そうだよ。手は、なるべく力が抜けて、必要最小限の力で使うのが理想だね。さっきはペンを持ってもらったけど、これはテニスや野球など、道具を使うスポーツでもそう。
今度はラケットを持ってみようか。さっきと同じように、ラケットを力いっぱい、ギュッ握ってみる。この状態で、ラケットを振ってみてくれるかな?
すごく、振りづらいです… 身体が縮こまって、大きく振れないというか…
生徒
生徒
図3 グリップを強く握ったスイング
藤本
藤本
そうだね。力いっぱい握ると、腕や肩、首にも力が入って、身体が固まってしまう。これでは、気持ちよくラケットを振り切れないよね。
今度は逆に、なるべくグリップをゆるく握って振ってみて。もちろん、ラケットが飛んでいかないようにね。
今度は振りやすいです。ラケットを大きく振り抜けます。グリップ一つでも、こんなに動きが変わってしまうんですね…
生徒
生徒
藤本
藤本
そうなんだ。小さいことでも、身体全体に影響があるということを、知っておいてほしいね。
藤本
藤本
この「力まない」手の使い方は、日常生活でも同じなんだ。ペンやコップを持つときでも、必要以上の力を入れないように意識してみよう。手が凝り固まりにくくなるよ。
じゃあ次は、足について話そうか。

セルフケアのコツ 第1章 これだけは知っておきたい身体のこと② へ続く